植込み型デバイスの特徴と心電図所見

演 者 因田 恭也 (名古屋大学大学院循環器内科学)

現在、臨床で使用されている植込み型デバイスには、従来のペースメーカのほか植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)、さらに皮下植込み型除細動器(SICD)など様々な種類があります。これらのデバイスの使用目的は、徐脈性不整脈に対する治療から頻脈性不整脈の治療、さらには重症心不全治療まで、多岐にわたります。これらのデバイスは一般診療で広く応用されることとなり、臨床検査においてもこれらのデバイス患者に遭遇する機会が増加しています。その結果、これまで難治性であった循環器疾患患者の予後が格段に改善されています。これらのデバイスの原理や適応疾患、さらにデバイス患者への対応など、臨床現場で押さえておくべきことがあります。またこれらの患者の心電図を理解することで、患者の病態の理解やデバイスの作動状況を把握することができ、検査を行っている医療従事者にとっても心電図検査がより興味あるものとなります。本講座では、種々のデバイスの特徴を概説し、そのデバイスによる心電図所見をわかりやすく説明します。